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December 10, 2005

杉本博司 時間の終わり

前の晩にご近所会女組@NANARICAにて杉本博司展の話になった。
現在森美術館で行われている展覧会。
ポスターを観て、なんて印象的な写真なんだろうと気になっていました。
でもその意図するところは全く知らなくて、ポスターを見て静物から野生動物の写真まで幅広く撮る人なのかと思っていたら、実は違うと教えてもらった。
衝撃。
そんな捕らえ方があったのか!
なんだか想像していた写真展とは全く違うもののようで、気になって気になって、早速昨日行ってきた。

まず入り口からしてすでに作品のよう。
杉本博司の世界に吸い込まれていく気がした。
最初に目に飛び込んでくるのは丈高く白い面もしくは柱の列。
規則正しく並んだそれらに圧倒される。
空間自体が作品なんだと思った。
そして裏に回ると、白と黒の写真の数々が待っている。
モデルは数学。
美しいのは、それが唯一無二の真実だからか。

ジオラマシリーズは衝撃だった。
写真に撮ることで、虚像が実像に成り代わる。
展覧会のポスターを見て本物の野生動物だと思った自分は、まさしく作者の意図にはまったお客さんだ。
写真は今まさに目の前に展開されている現実を切り取ったものに違いない、という自分の思い込みが覆される。
ジオラマが、ジオラマとしての現実から離れて、実像としての現実を映し出している。

古代の海をテーマにした部屋は暗く沈んで、海だけが浮かび上がる。
眩暈がする。
思わず座り込みそうになってしまった。
能舞台に浮かぶ海、そして古代から響く音。
見慣れた海の姿はない。
視覚からの印象は静寂。
そのくせ、猛々しい熱さを感じるのは何故だろう。
鏡のように静かな海。どこまでも広く遠い海に飲まれそうになる。
はるか彼方に行ってしまいそうで怖い。
ここで行われたという能の舞台を見てみたかった。

光るスクリーン、絵のように見える写真、溶けていく千手観音。
建築物との対決、あるはずのない風景。
写真と化石は似ていると話す作者の言葉が頭に残った。

護王神社には是非行ってみたい。

投稿者 melissa : December 10, 2005 11:10 AM


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