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January 22, 2006

歓びを歌にのせて

なんで良い映画に限って単館なんだろうなぁ。
一般受けしないんだろうか。
この映画、今まで観た映画のベスト5に入るかも。
(といってもあんまり映画観てないんだけど…)
二日連続で観に行っちゃいました。
最初は一人で観に行って、あんまりにも良かったから翌日benを連れてもう一度~。
一回目も素晴らしく感動したけど、二回目もやっぱり感動しました。
飽きるどころか段々深くなっていくような。

スウェーデンの映画です。
世界的に有名な指揮者だった主人公が、身体を壊して少年時代を過ごした村に帰ってくるところからストーリーは始まり、彼が聖歌隊の指揮者を引き受けたところから物語が動き出します。
「自分の声(トーン)を見つけよう」
最初は何気ない一言に聞こえた言葉が、実は深い意味を含んでいるということが物語りが進むにつれわかるようになりました。
この映画、単に音楽を題材にした内容ではありません。
宗教が深く絡んでいて、人間愛と、もしかしたら神の愛についても語られているのかな、なんてキリスト教に詳しくないなりに考えてみたり。
これはわたしの勝手な解釈に過ぎませんが、主人公である指揮者にイエス・キリストの姿を、そして彼が愛する女性にはマグダラのマリア的な存在を感じてしまいました。
(主人公については牧師の妻がそれっぽい発言をしたりはしますが)
最後の方で主人公が怪我をして、3人の女性達が介抱しているシーンなんかは宗教画のイメージで観てましたね。
後から考えると深読みしすぎかなーと自分でも想うものの、映画館で見た時はそう見えちゃったんですよ…。
そして指揮者が来るまで村の支配者的な存在であった牧師に妻が投げつける言葉はかなり強烈。
牧師の生き方の否定であると共に、教会に対する痛烈な批判です。
これを言ったらお終いじゃないか、というくらい救いようの無い一言。
まさしくその通りなんですけど…。
彼女の夫に対する絶望の深さは計り知れないです。
しかしだからといってキリスト教の否定をしているわけではないと思うんですよね。
本来はこういうものだったんじゃないかと言うような「愛」の姿をそこかしこに感じます。
DVにあっていた妻が夫を「恨んでいない」という言葉のなんと深いことか。
彼女を見ていると、辛い思いをした人ほど人に優しく出来るっていうのは本当にそうだな、と。
そしてその助けをしたのが、ほかならぬ音楽。
月並みな表現ですが、彼女がソロで歌うところは感動的でした。
歌詞がまた泣けて泣けて…。
そこに至るまでの過程が丁寧に丁寧に描かれているからこそ、余計にそう思った。
彼女に限らず、聖歌隊のメンバー達が自分自身に目をそらし、誤魔化して生きてきたのが、音楽を通して自分に向き合うことで段々開放されていくんです。
そしてその音楽を人々に与えている、もしくは気づかせている指揮者自身も、未だ過去のトラウマに捕らわれているし、失う事を恐れて人を愛する事を怖がっている人間で、万能な存在ではありません。
しかし彼もまたメンバー達との触れ合いによって、人を愛するということに目覚め、音楽で人の心を開くという夢を実現させていきます。
生身のイエスというのは彼のように純粋で与える愛に溢れていて、でも人間臭いところもある存在で、だからこそ人々は惹かれていったんじゃないのかと映画を観ながら考えてしまいました。
村を去った過去を聖歌隊のメンバー達に話す主人公の姿は痛々しく、彼を気遣って椅子を出した老人が「故郷だよ」という一言は、さりげないけどこれ以上ないくらいに愛に溢れてる。
凄いなと思ったのは、主人公を否定する人々の存在もちゃんと描かれているところ。
全員が受け入れるられるかというと、そうもいかないわけで。
人間の弱さ、醜さ、汚さ、そこにもきちんと焦点をあてているからこそ深みが増すんだろうな。
自分はどっち?って思ったら不安になりましたが…。

ラストはもう言葉にならないです。
主人公の微笑みに、涙が溢れて溢れて…。
コーラスではなく、ただのハーモニーなところがすべてを言い表しているなと思いました。
彼の夢は叶い、人々の心は開かれた。
その夢は絶えることなく引き継がれていくのでしょう。
知的障害の青年からそのハーモニーが始まったところが何とも意味深いです。

DVDが出たら迷わず買います。
何回観ても良い映画だと思う。名作。

歓びを歌にのせて
http://www.elephant-picture.jp/yorokobi

投稿者 melissa : January 22, 2006 06:14 PM


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コメント

LiLiCoちゃんも、故郷のスウェーデン映画ということを差し引いても生涯1の映画だって言っていたので、興味はあるんですよ。
BUNKAMURAまで行くのがメンドーなので、渋谷で仕事をした帰りにでも寄ればよかったな~。

投稿者 りん : January 22, 2006 09:57 PM

興味があるんでしたら絶対観たほうがいいですよ!
2月中旬までは確実に上映しているらしいので。
観るたびにどんどん深くなっていきます。
ほんと、LiLiCoさんがベスト1ていうのもうなずけますね。
納得です。
コメントに書ききれなかった事も沢山あり、りんさんにも是非観て欲しい~。

投稿者 melissa : January 22, 2006 10:03 PM

>主人公である指揮者にイエス・キリストの姿を、そして彼が愛する女性にはマグダラのマリア的な存在を感じてしまいました。

同感です。
そういう観方をする人がいると思うと、うれしくなりました。

投稿者 マダムクニコ : January 24, 2006 11:53 PM

マダムクニコさん、こんにちは。
そう言って頂けると私も嬉しいです♪
またブログ拝見しに伺います。
どうぞ宜しく。

投稿者 melissa : January 25, 2006 01:45 AM

はじめまして こんにちは
トラウマや囚われから、辛い思いをしながら登場人物が解放されてゆき、ノビノビしてゆく様が、映像と音楽とともにとても良かっただです。
同じブログ内では、共感している方が少なかったので、検索していましたら辿りつきました♪

投稿者 たかし : October 10, 2006 12:04 AM

たかしさん、はじめまして。
ようこそおいでくださいました(^^)

私も共感できる方と巡り合えて嬉しいです♪
ラストは本当に素晴らしいですよねぇ!
良かったらまた遊びに来て下さい。

投稿者 melissa : October 11, 2006 07:51 PM

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