December 03, 2008
未来仏
あさのあつこさんの「弥勒の月」を読みました。
時代小説を買ったのは久しぶり。
買おうと思って本屋に行ったわけではなく、丸善の文庫コーナーを何気なく歩いている時に、ふと目に止まった本でした。
彼女の本は一度も読んだことはありませんでしたが、時代小説を書いている印象は全くなかったので意外でした。
それもそのはず、「弥勒の月」が初めての時代小説らしい。
後書きによると、藤沢周平にはまって時代小説を書いてみたくなったのだとか。
それを読んだ時に、この本との出会いも縁だったかと思いました。
大好きな藤沢周平に呼ばれたのかも。
これだから、ぶらり本屋巡りは止められないわ。
読後感としては藤沢周平とまではいかないものの、個人的には素敵な出会いだったと思う。
闇に沈んでいた人間が、たった一人の人との出会いで変わることもある。
その危うさと切なさが人間らしく、登場人物が愛しいなと思える物語でした。
拠り所を失ってなお、なぜ生きる道を選ぶんでしょう。
約束だから生きるのか、たとえ現のものとしては失われても、心にあるものは失われないからなのか。
生を終えるときに赦されたくて生きるのかもしれません。
人って儚くて脆いのに、救われることで誰よりも強くなれることもありますね。
傷を糧として生きることが出来ると、その傷痕すらも美しく見える。
続編の「夜叉桜」が読みたいなぁ。
投稿者 melissa : December 3, 2008 12:28 AM
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